個展「Æ/æ」
会期:2022年10月21日(土)〜11月28日(月)
会場 :MA5 GALLERY by SANLORENZO JAPAN
https://www.ma5gallery.com/services-9
鏡は歴史の中で素材や技法が発展、多様化し、現在では構造自体も様々なものが存在している。
本展では鏡のもつ、様々な素材の複合性、そこで生じる現象に着目する。
古くから鏡は、平面性を支持体に反射の要素を金属に担当させ、その組み合わせによってできていた。
例えば銅鏡は錫アマルガムが、ガラス鏡は銀やアルミが コーティングしている。(必ずしも表面を覆うわけではなく、ガラスやアクリル 等透明素材の場合は支持体の裏面にコーティングがなされる)
過去、私は塗装や 蒸着等様々なコーティングを行ない、鏡を制作した。
その中で、400 回以上のアルミ蒸着により鏡を制作しているが、そこで 1 点のみガラスとアルミの間に虹色のようなノイズが生まれた。
表面へのノイズはこれまでも多々存在したが、支持体と金属の その間にエラーができたことは初めてであった。
製品としてのエラーは、自身に改めて複合性ということを問いただすきっかけとなった。
鏡のコーティングの歴史に着目し、 異素材が構造的に共存することで生み出される現象を提示する。
タイトルの『Æ/æ』はエーテル (AEther) に由来しており、錬金術用語、 光伝達の触媒、有機化合物等、鏡に関わる言葉であるとともに 時代とともに意味が変化してきた様子自体を鏡と重ね合わせ、命名。
また A、E の合字はあり、異なる素材が接して一つになる様子を表す。
主催|SANLORENZO JAPAN
素材/技術協力|UNOU JUKU by AGC 株式会社、株式会社 Makership
写真|Kenryou Gu